開放 f2.4のレンズ


PENTAX 67 lens wearing
ペンタ67レンズを装着して正面から見る。



久しぶりに工作の話題です。私は以前から大口径のハッセルプラナー110mm f2が欲しかったのですが、たいへん高価でなかなか入手は叶いません。そこで、手持ちのレンズを見回してみると、ペンタ67用の105mm f2.4がありました。まあまあの大口径です。しかし、ペンタ67レンズは鏡胴の口径が大きくて、ハッセルマウントには改造しにくいのです。試しに、レンズマウント部を分解して、ハッセルボディに当てがって覗いて見ると、なんとか無限位置に加工できる余裕がありました。勿論、瞬間絞り込みの連動は無理なのですが、取り付けることはできそうです。ちょうどハッセルマウントのジャンクが見つかったので、思い切って改造することにしました。図面をおこし、無限位置を合わせて加工を始めたところまでは順調だったのですが、いざ仮組してみると、ハッセルのシャッター部が干渉して取り付けできませんでした。やはり、ペンタ67レンズの外径が大きすぎるようです。仕方が無いので、レンズをロータリーテーブルに固定し、干渉部分の鏡胴をフライスで削ることにしたのですが、当初、回転方向を間違えて予定よりも20mm程、余計に削り過ぎというミスはあったものの、なんとか無事に取り付けできました。 さて、これでYAKUSCANの為のハッセルレンズになった訳ですが、もう元には戻せないのでフィルムで使うなら、ハッセルのフォーカルシャッター機が必要になるのですが、私には、ハッセルマウントに改造したペンタ67ボディがあります。取り付けてみると、まるでオリジナルのような外観になりました。ボディもレンズもペンタ67でありながら、マウントはハッセルVというパラドクスな個体です。



TAKUMAR 6×7 105mm f2.4
タクマー105mm f2.4を取り付けたYAKUSCAN。


Remodeling of the mounting department
ハッセルマウントに改造したマウント部。このマウントは他のレンズにも流用できそうです。


Processing to avoid the interference of the shutter part
干渉を避ける加工に手間取りました。シャター形状の違う500シリーズには装着不可。


V mount remodeling machine of PENTAX 67
世にも不思議なペンタックス67。ハッセルマウントの着脱ボタンが僅かに見えます。






























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スキャナー速度の迷宮




GT-X820




現在の時点で高速と思われる、エプソンのGT-X820という機種をやっと入手しました。しかし、このスキャナーの本来の早さを再現するのは簡単ではないのです。かつて、私のPC(Mac G4)の環境で F500の1200dpiが40分もかかっていました。ところがWindows XPで試してみると、それが一気に2分に短縮された事実があります。この例でも解るように、スキャナーの取り込み速度は主にPC環境(CPU速度、メモリー量)やOSの相性によって、大幅に変動するものなのです。エプソンの場合、スペックに示す読み取り速度は常にWindowsの最新機種を条件としています。(http://www.epson.jp/products/scanner/interface.htm)これはエプソンスキャナーがWindowsに最適化するように作られているからでしょう。したがって、GT-X820を最速にするには、「Windows 8.1 64bit CPU:Intel Core i7 3537U(2.00GHz)RAM:4GB」という環境が必要になり、それ以外のPCでは、残念ながらスペックどおりの速度は期待できません。それに加えて、例えばF500の場合ですが、今、私が使っているMacBook Pro(2.40GHz/RAM:8GB)の環境では、エプソン純正ドライバーで1200dpiが2分30秒かかるのですが、Vuescanというドライバーを使うと1分27秒に短縮できました。これは、Windows XP環境でエプソン純正ドライバーを使うのとほぼ同等なのですが、Windows環境でVuescanを使うと、こんどは純正よりも遅くなるということが解っています。また、エプソン以外も含めてスキャナーには、最高解像度から1/2づつの系列が構成されていて、F500なら2400/1200/600/300dpiになり、S620なら4800/2400/1200/600/300dpiという基本系列になっています。仮に、系列以外の1000dpiを選択しても、実際には上の系列の1200dpiでスキャンし、後処理で1000dpiまでリサイズしているだけなので、結局は1200dpiと同じ取込み時間になってしまいます。その意味で、私はF500とS620は、常に600dpiと1200dpi意外の中間モードを使わず撮影をしてきました。今回のX820の場合、最高解像度が6400dpiなので、系列は6400/3200/1600/800/400dpiとなるのですが、1600dpiは大きすぎるので、どうやら800dpiの撮影が妥当と思われます。さて、そんなことを踏まえながら、ひとまずMacBook ProにX820を繋いで、テストしてみました。しかし、なぜかVuescanを使ってもうまく動きません。スキャナー機種は認識しているのに動かないのです。いろいろ調べてみましたが、今のところ原因が解りません。また、MacOS上では複数のエプソンドライバーを併用できないので、X820の純正ドライバーをインストールするにはF500のドライバーを削除しなければならないのです。私としては、順調に動いているF500が使えなくなるのは困るので、代わりにMacOS標準のイメージキャプチャーを使ってみると、初めて動き出しました。すると300dpiで約8秒かかりました。スペックでは6秒なので、やはり遅いようです。中間モードも含めて、取込み時間と解像度の関係を表にしてみました。(表1)いかがでしょうか? F500の場合では、法則どおり系列以外の中間モードの取込み時間は同じになります。しかし、X820の場合は上記の法則とは違って、系列には関係なく、解像度に応じた取込み時間になっています。どうやら従来機種とは違う独特なプログラムになっているようです。それと、X820はLED光源を使っているので、ウォームアップレスが売り物なのですが、特に800dpi以上になると、10〜15秒ほど何らかの処理があって、スタートがもたつくような動作があるのが困ったことです。現在600dpiが20秒となっていますが、スペックでは「1.8msec/line(600dpi)」ということで、計算上では12秒まで短縮できる筈です。そして、問題になるのは800dpiなのですが、はたしてどのぐらいまで短縮できるのでしょうか? もしも、Windows 8.1のユーザーでGT-X820またはX830をお持ちの方がおられたら、その環境で、800と1200dpiの全面取込み時間をお知らせいただけたら助かります。この表を見る限り、X820は低解像度モードでは早くても、目標とする高解像度が思わしくありません。その点では、古い機種にもかかわらずF500の1200dpiで87秒は、かなり健闘しているのではないでしょうか? 少なくとも、この現状ではとても新作を作る気にはなれません。それにしても理想的なスキャナーにはなかなか巡り会えないものです。



GT-X820

表1 F500も高解像度ではなかなか優秀です。

























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600dpiで散歩


scan0001
写真1 SWC Biogon 38mm f4.5(f16)+ Angle control, 600dpi
等倍画像はこちらhttps://www.flickr.com/photos/46505679@N04/17933935946/sizes/o/



市販の高速スキャナーを検索したのですが、当然ながら高速なものは現行製品、または、最近の型落ち製品ということになります。そこで、貧乏性の私としては新製品をパスし、型落ち製品をオークションで探しました。しかし、まだまだこなれた価格になっていないのが現状です。この3週間に2度ほど入札してみましたが、いずれも私の予算オーバーで落札できませんでした。まあ、しばらくは気長にチャンスを待つ事にしましょう。このところ屋久島は珍しく、さわやかな快晴が続いているので、気分転換にカメラを担いでちょっと散歩してきました。心地よい風が吹いて気持ちがよいのですが、1200dpiでは厳しそうです。この際、次に予定している高速機のつもりになって、約28秒(600dpi)モードで撮影することにしました。いつもは動く物を避けてきたのですが、今日はかまわず橋の上から川の流れをSWCで一枚。(写真1) そのまま川沿いを歩いてゆくと、山肌の新緑が美しい!ここはハッセルプラナー100mmで山肌の質感描写。(写真2) 川のせせらぎにウグイスの声が聞こえて長閑な風景が続きます。草の生えた小道には樹木のトンネルがあり、向こうには赤いツツジが見えました。ここはハッセルプラナー100mmの絞りをf5.6まで開けて撮ってみました。(写真3) さて、モードを600dpiに決めてみると、被写体選びの自由度が格段に広がることを再認識しました。そして、将来1200dpi/90秒が20秒に短縮できれば、バッテリーの撮影可能枚数が一挙に4.5倍も増えるということになるのです。



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写真2 Compact YAKUSCAN, 500CM, Planar C100mm f3.5(f16), 600dpi
等倍画像はこちらhttps://www.flickr.com/photos/46505679@N04/17337869114/sizes/o/



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写真3 Compact YAKUSCAN, 500CM, Planar C100mm f3.5(f5.6), 600dpi
等倍画像はこちらhttps://www.flickr.com/photos/46505679@N04/17934061296/sizes/o/
























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高速化の目安




600dpi:28sec
スキャン時間28秒でも僅かに色ズレが起きました。SWC Biogon 38mm f4.5(f16)+ Angle control, 600dpi
600dpiの等倍画像はこちらhttps://www.flickr.com/photos/46505679@N04/17132087787/sizes/o/



前回ご紹介した、Seitz 6×17Digitalのパフォーマンスには今更ながらショックを受けて、コンパクト量産機の開発の手も止まってしまいましたが、気を取り直して考えてみました。TDIセンサーを使ってスキャン1秒を目指す事も決して不可能なことだとは思わないのですが、残念なことに、開発に必要な自己資金が間に合いません。それならせめて、今の私にできる範囲の高速化を目指すことにしたいと思います。ところで、多くの被写体を止めるにはどのぐらいのスキャン速度が必要なのでしょうか? そこで、ちょっとテストをしてみました。今日は晴天に恵まれましたが、かなりの強風です。1200dpiでは明らかにカメラぶれが予想されるので、今回はSWCを使って海と川の合流点(動態)を600dpi(約28秒)/ 300dpi(約13秒)/ 150dpi(約8秒)の順に撮ってみました。観察してみると、600dpiでは一見止まっているように見えますが、等倍まで拡大すると白い波頭の右側にブルーの色ズレが出ています。また、手前の川の流れに虹色のズレが入りました。これを見る限り、28秒よりも短縮しなければならないようです。次に300dpiを見てみると、波頭も止まって写り、川の虹色ズレも消えました。厳密にみれば、川の流れにある点状のハイライトに色ズレが出ていますが、これは許せる範囲と考えます。この結果を見る限り、150dpiの8秒までの高速化は必要はないという感想です。(CCDで1200dpi/8秒はほぼ不可能)ということは、理想値として1億画素付近の800〜1200dpiで13〜20秒というのが妥当な目標となりそうです。さて、そんな高速なイメージスキャナーが市販されているのでしょうか。これから、いろいろ検索してみたいと考えています。


300dpiの等倍画像はこちらhttps://www.flickr.com/photos/46505679@N04/16719295473/sizes/o/
150dpiの等倍画像はこちらhttps://www.flickr.com/photos/46505679@N04/17313566916/sizes/o/





























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9年も前に発売されていたスキャナカメラに衝撃




何気なく見ていたら、驚くほどの性能に衝撃を受けました。



最近、調べものでネット検索していたら、偶然に上の動画を見つけました。どうやら6×17cm判のラインセンサー型スキャナカメラであることが解ります。センサーの動きがずいぶん早く感じます。ナレーションを聞いてみると、160 million pixels(1億6000万画素)のスキャン時間がなんと1秒だと言っています。私にとっては、全身から力の抜けるほどの衝撃でした。なぜならラインセンサーでそんなに早く動く筈がないと思っていたからです。しかし、スキャン1秒が事実なら、これまでのスキャナカメラの概念は大きく変わってしまいます。例えば1ラインの幅0.1mm程度のラインセンサーが1秒間で170mm移動する場合、0.1mm幅のスリットカメラを想定すると、理論的には0.1mm/170mm=0.0005秒となり、有効露出時間は1/2000秒というシャッタースピードになります。そして、これはプロ用デジタルバックと同等の機動性が備わることを意味します。動態撮影も自由自在で被写体を選ばないし、勿論手持ちスナップも十分可能でしょう。さて、それでは、なぜこんなに早く動かすことができるのでしょうか? 現在最速のラインCCD型のA4スキャナーで約6秒(300dpi)なので、1億6000万画素を得るには早くても数十秒はかかるでしょう。しかし、このカメラは9年も前に1秒を達成していたのです。そこには何か秘密がある筈です。その後見つけた、Seitz 6×17Digitalのスペックの中にType:TDIという記述を見つけました。そこで、TDIで検索してみると、Time Delay Integrationというタイプのラインセンサーの存在を知りました。これは通常のラインCCDよりも64または96画素ほど幅を広げたセンサーで、ライン画像を重複させながら取り込み、積算させるシステムで、より高感度になり、処理の高速化が可能になるようです。こんな物が9年も前に出来ていたなんて、恐るべしSeitz社です。そこで、日本国内で探しみるとTDIセンサーを生産するいくつかのメーカーを見つけましたが、主な用途は生産ラインの品質管理用カメラなどで、残念なことにTDI型のイメージスキャナーの製品は皆無でした。そもそもSeitz社はラウンド式パノラマカメラを生産するメーカーとして有名でしたが、おそらく、新型の専用ラインセンサーの開発に伴って、メイン製品となるラウンド式パノラマカメラと同じセンサーユニットを共用できる6×17Digitalをひとつの副産物として開発したような印象を持ちます。使用マニアルを見つけたので見てみると(※1)、センサーユニットは分離式になっていて(写真1)、6×17Digitalボディから取り外したセンサーを自社のRoundshot D3というパノラマカメラにそのまま取り付けられるようになっているのです。あ〜あ、当分の間このカメラのことが頭から離れそうにありません。どうやら私の次のテーマは高速化になりそうですが、1秒というのはさすがにハードルが高いです。

※1 使用マニアル http://www.manualslib.com/manual/807197/Seitz-Roundshot.html#manual



TDI unit
写真1 6×17DigitalボディからTDIセンサーユニットを取り外した様子。


6x17 Image
2006年当時の初期型。この写真は印象的で記憶にあったのですが、てっきりエリアセンサーカメラだと思っていました。


Seitz 6x17 Digital
現在のSeitz 6×17Digitalは、初期型から鏡胴あたりを改良したようです。

































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成せば成る



Shortening of the CCD board
突破口とは、邪魔なら切ってしまうという単純な発想でした。



前回お知らせした、量産機の構造改変でひとつの突破口の話をしましたが、実はそれをやってみました。これは前々から考えていたことなのですが、思い切ってCCD基板をカットしてみたのです。勿論、既にテストもしました。問題なく稼働することも確認済みです。たった8.6mmの短縮なのですが、これによってレイアウトの変更が可能になるという訳です。現在、図面の改修もほぼ終了し、この後、各パーツの図面を引いて出力すれば加工に入ることができます。さて、量産型プロトタイプ2号機はもっと量産し易い構造になるのでしょうか?




























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Compact量産型プロトタイプの見直し



I aim at a more effective design
コンパクト原型に比べると、量産型のプロトタイプは構造が複雑でシビアな加工が含まれています。やはり見直しが必要なのでしょう。




現状でも量産できないことはないのですが、複数生産をイメージすると行程のシビアさが気になって、このまま進むことを躊躇していました。そこで、ひとまず分解し、久しぶりに図面を見直すことにしたのですが、考え抜いてたどり着いた現在の構造を変えるのは簡単ではありません。考えること1時間。ひとつの突破口が浮かびました。さて、うまくいくのでしょうか?
































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