弱点の解消。

私のスキャナカメラの弱点は、リボンケーブルのレイアウトに問題があり、ひっかかる不安があっては撮影に集中できないので、久しぶりに分解しました。この際にギアの構造やベルトの取り付け状況などを、紹介します。





リボンケーブルのレイアウトは図面に引くのが難しいので、リボンケーブルのサイズに紙を切っていろいろレイアウトを考えました。そして、90度方角を変えてこんな感じにすると、カメラの姿勢に関係なく動き、また駆動の障害にもならないことが解りました。前の写真と比較すると違いが解ると思います。これで、不安解消です。



次はギアの紹介です。左はオリジナルのギアユニットです。そして右にあるのが2台分で合成したスキャナカメラ用のユニットです。


Aギア2個とBギア2個の4個のギアを合成します。オリジナルのAギアはシャフトもそのままに使います。CとDはオリジナルのBギアのベルトプーリーを削り取ってその上にもう一つのAギアを重ねて新設のシャフトに変えて同じ穴に固定します。そして、もう一つのBギアは未加工のまま、新しく軸穴をあけて追加します。



図面にするとこうなります。CCDラインセンサーの長さを正確に測定して画面の短辺の比率を計算するのですが、実際に撮影してみると、僅かに受光範囲が狭くなっていました。しかし、結果は偶然にかなり正確な縦横比になりました。こんな偶然は滅多にないことだと思います。




私の場合は卓上旋盤で2本のギア軸を製作しました。これがその図面です。AとBギアの軸径が違うのでこういう方法にしました。他にも取り付け方法はあると思います。しかし、ベルトのテンションが結構強いので、軸をしっかり固定する必要があります。またギア同士のクリアランスは重要で、あまりタイトにすると、負担がかかり、スムーズに動きません。僅かにガタつくぐらいがいいようです。加工する前にオリジナルの噛み合わせをよく観察すると解ると思います。


これはベルト固定の状態です。左にあるのは真鍮で削り出したものでベルトの一端を2本のネジで固定しています。そして、右側にある黒いものがもともと付いていたベルトストッパーでギザギザが付いていて押し込むだけでベルトを固定することができます。これは作ろうと思っても手作りではなかなか難しいので、便利に流用しています。また、ベルトの着脱のとき持ち手にするためにベルトを長めに切ってあります。
とりあえずいろいろ紹介しましたが、スキャナカメラ製作を考えている方の参考になればいいと思っています。