CISタイプスキャナカメラの攻略



Photograph taken on a spot
無数の横線が入りますが、LiDE30よりも写りはいいようです。Deardorff 8×10 コマーシャルエクター12inch f6.3(f8)1200dpi






適当な素材が見つからなくて、被写体が前回とかぶってしまいました。もう4年も前のことですが、私が最初に手がけたスキャナカメラはCanon LiDE30というCISタイプでした。一通り出来上がったのですが、その写りは納得のいく物ではなかったのです。そして、その後、raspyさんの記事を見つけて、CCDタイプのスキャナカメラを作るようになってからは、すっかりお蔵入りになっていたのです。さて、ご存知の方も多いと思いますが、平成写真師心得帳というタイトルで写真工業誌に長年執筆されていた柳沢 保正氏は、その廃刊後も新・平成写真師心得帳としてブログを書かれています。http://d.hatena.ne.jp/yanretro/ ある時、私がコメントしたことがきっかけで知り合いになったのですが、彼は一年程前から、CISタイプスキャナを改造してクラシックな大判カメラに取付けて撮影しています。もう一年も続いているのですから、かなりはまっていると言えるでしょう。ただ、彼が現在使っているスキャナカメラには、なぜか黒いゴーストが入るらしく、その原因が解らず困っているようなのです。私は電磁波の影響だと思ったのですが、現物を見ていないので、なんとも確信が持てません。そこで、お蔵入りのCISカメラを持ち出してきて、手入れをしていたところ、両面テープで取付けたCIS基板を剥がそうとしたら、なんと基板ごと折れてしまったのです。(写真1)これは困った!ヤフオクで新たに入手するのも勿体ないし、どうしようかな?なんて考えていたのですが、一応ヤフオクを覗いて見たら、LiDE40という機種が500円で出品されてたので、ついつい落札てしまいました。笑) これは、柳沢氏が使っているのと同じ機種なので都合がよかったのです。そして、月曜日にそれが届き、分解して見てみると構造がLiDE30とはまるで違っていました。LiDE30はメイン基板が駆動部に乗っていて、それがCISと一体で動くようになっているのです。そして、その構造上、メイン基板からのノイズを拾い易いという宿命にありました。ところがLiDE40は、メイン基板も大きくなって、筐体側に取付けてあります。これならノイズの影響も少なく、ゴーストの原因が電磁波の影響ではないことが判明しました。さて、製作はベニヤ合板で作った箱をそのまま流用しましたが、中身はほとんど作り直しました。そして、図面も書かずに二日ほどで完成しました。(写真3)いよいよUSBを繋いでみると、直ぐに動き出しました。しかし、部屋の明かりを消して試してみると、シェーディング(キャリブレーション)らしき運動が繰り返し続くだけで、ドライバーはエラー表示となります。なるほど、蛍光灯の明かりを拾ってシェーディングしていたようなのです。610さんのブログ http://mutohide.net/handmaid/8-10holder.html でも触れていましたが、LiDE40ではシェーディング用の内部照明を仕込まなければならないようです。そこで、ストックの3mm径のLEDを11個並べて、それぞれに適当な保護抵抗をかませて並列に配線しました(写真2)。裏側には拡散板として2mmの乳白アクリル板を取付けました。これでいけると思ったのですが、まだ往復運動が続きます。その後、良く観察すると、シェーディング中にCIS駆動部は8mmほど前後させています。ふと思いついて、原点用のマイクロスイッチをONのままテープで固定してテストしてみると、シェーディングは見事に終了しスタンバイ状態になりました。これで納得です。原点から8mm移動しても、まだシェーディングしていると言う事です。原因が解れば対策も簡単です。マイクロスイッチの稼動部を長く伸ばしてストロークを稼ぎ、シェーディング時は常にONをキープできるようにしました。これで製品時と変わらずドライバー制御できます。早速、ディアドルフに取付けて、テストしてみましたが、ゴーストも皆無でLiDE30の時よりも格段にクリアな画像になりました。これを使って、たまには大判を楽しむのもよいでしょう。それにしても柳沢氏が悩んでいる黒いゴーストとはいったい何が原因なのでしょうか?同じ機種ということで、どうやら改造の方法に何か問題があると思われます。





The CID board which was broken of LiDE30
写真1 CIS基板が折れてしまったのが、事の始まりでした。



LED for calibration for LiDE40
写真2 あり合わせのLEDは11個でした。この数には何の理由もありません。Deardorffのバックと同じ位置にピンが来るように調整してあります。



The inside of the CID type scanner camera
写真3 LiDE40スキャナカメラ内部の様子。Canonのフラットケーブルが駄目になったので、替わりにEPSON S620のケーブルをハサミで切って使いました。笑)



















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