4×5YAKUSCAN 試作機は完成か?




The front of the prototype
試作機はやっと完成したものの、思わぬ問題が発生しました。前途多難です。






その後、試作機は完成したのですが、ちょっと問題があっていろいろと解析をしていて、更新が遅くなりました。早速ですが、今回考えたアイデアから始めましょう。かつてraspyさんの偉大なる実験によって発明されたスキャナカメラなるもの。なんたってパーソナルな安物スキャナーが高性能デジカメに変身してしまうのですから驚いたものです。そして、その時から、ラインCCDの長さが画面の短辺と決まっていました。そしてそれはA4サイズの短辺の210mmのちょうど1/6(F500の場合)になり、ギアを追加してスキャン距離(A4長辺297mm)を1/6にすると、それがスキャナカメラの撮像範囲になる訳です。この理論を考えられたraspyさんには改めて敬服いたします。しかし、撮像範囲を正確に採寸するのは大変微妙で、アスペクト比に、ある程度の誤差が出るのです。私はかつてその誤差を極限まで0に近づけるために、ギア比を追求したことがありました。しかし、Photoshopを使った人ならご存知のように、画像の縦横比はデジタル上で簡単に微調整することができます。そして、その機能を使えば、無理してギアの組み合せを直す必要もないとうことに気づいたのです。さて、前置きが長くなりましたが、ここから4×5判スキャナカメラについて考えてみましょう。4×5の撮像範囲(125×100mm)に対して、YAKUSCANの撮像範囲(49.5×36mm)は、あまりにも小さ過ぎで実用的とは言えません。そして、この問題を解決するためには、もっと長いサイズのラインCCDがあれば良いのです。たとえば、A3スキャナのCCDは長さが約80mmほどあると聞いています。これが使えれば、撮像範囲は113×80mmになり4×5にはベストマッチングと言えるでしょう。それで、私もA3スキャナを入手してみたのですが、ガラス越しに見えたコントロール基板の大きさに疑問が湧いてきたのです。A3のスキャナカメラを作ることはできても、大きなコントロール基板を収納させると、その筐体も巨大化することになり、実用として考えると少々疑問になる訳です。分解してみれば、もっと正確な寸法も割り出せますが、重量20kgの大物を分解するためのスペースが今の我が家ではなかなか確保できないので、私のA3スキャナは今も手つかずの状態なのです。さて、こんな理由でA3スキャナが現実的でないとすると、他に何か方法があるだろうか?と、私は考えてみました。そこで思いついたのが、Photoshopの機能を前提に設計することです。つまりPhotoshopで画像の縦横比が自由になるということに着目したのです。この機能を使えば、仮に左右のスキャン距離(副走査距離)を拡大しても問題はないのではないかと思ったのです。そこで、今回の試作機ではスキャン距離を従来の2倍になるように設計してみました。これで左右は99mmになり、当然ながらCCDの長さは変わらないので、撮像範囲は99×36mmになります。そうですパノラマ画面になるのです。せっかくの4×5ですから、せめて左右の画角を有効利用したいと思った訳です。これによって取込まれた画像はどうなるかというと、アスペクト比が変化し、上下が膨張した絵になってしまうのですが、ここで、Photoshopを使い、画像の上下だけを50%にすれば正常なアスペクト比に戻るのです。これでピングラで覗いた絵とまったく同じ画像になるという寸法です。そこで、先日完成した試作機を早速試してみました。最初の画像をお見せしましょう。(写真1) 正常なアスペクト比に戻してみるとパノラマの画像が現れました。(写真2) しかし、残念ながら原因不明の色ズレが起きています。さて、これは失敗なのでしょうか? スキャン方向は間違っていないし、理論的にはこれでもA4の1/3に減速しているので画質が劣化することは考えにくいのです。試しに、Photoshopのチャンネルを使ってズレ分を補正すると、一見改善したように見えますが、不思議な事にRとBの画像を単体で見るとエッジには重複した部分があり、正常な画像ではないのです。(写真3.4) 少なくともこのままでは実用にはなりません。私はこの方法論に確信を持っていたので、この結果には納得がいかないのです。実は製作中にショートさせた経緯があって各基板のダメージも考えられました。そこで、CCD基板や操作基板、ケーブルなどを別なものに交換したりしてみましたが、色ズレに変化はありません。そして、最後にはスキャン方向まで疑って、駆動テーブルをわざわざ再設計して、テストしてみましたが、画像は左右反転になり、色ズレ量が大きくなるだけで、明らかにスキャン方向が原因ではないことも確認済みなのです。要するに、機械的エラーはなく、設計通りに動いていることになります。それでは何故色ズレするのでしょうか? その後、ひとつの要因が浮かんできたのですが、それを確かめるには少々の改造が必要で、ある部品を注文しました。その結果については次回にまとめたいと思います。さて、このままこの企画は終ってしまうのでしょうか?






The inside of the prototype
ボディのほぼ全面が駆動トラックになるので、これまでのような4本支柱構造はこの幅には入りません。必然的にモノコック構造となりました。





Raw image
写真1 これが取込んだ画像です。上下が膨張しています。




The image which corrected aspect ratio
写真2 上下を50%にすると、アスペクト比が正常に戻ります。しかし、RGBのズレが目立ちます。




The image which revised RGB gap
写真3 チャンネルでズレを補正すると、少し見られるようになりますが、完全には補正できません。




Mysterious heap of the B image
写真4 これはBの等倍画像ですが、エッジに不思議な重複が見られます。この原因が何なのか? まだまだ解析は続きます。




























Google translate English)

http://translate.google.com/translate?hl=en&ie=UTF-8&sl=ja&tl=en&u=http://d.hatena.ne.jp/YAKU/&prev=_t&rurl=translate.google.com&twu=1