これが最後の実験!



新年あけまして、おめでとうございます。





5 gear unit of S620
写真1 S620のオリジナルに追加ギア1:2.5を取付けました。もうこれで、ギアユニットを作るのは通算4回目です。




年を越してしまいました。何をやっても駄目なので、そろそろ諦めようと思っているのですが、もしかしたら機種の違いが色ズレの原因か?と考えて、最初はF500の製品筐体を使って、Project ESEさんのように左右全面のパノラマをやろうと思ったのですが、F500では加工が面倒な構造だったので、代わりにこんなギアユニットを作りました。(写真1)これはS620のギアに追加ギアを加えて、スキャン距離を従来の2倍にするものです。今回の試作機と同じ条件にして、今度はS620でやってみようと言う訳です。今回はとりあえず、画像の確認だけが目的なので、手抜きしてこのギアユニットをS620の製品筐体に戻そうと思ったのですが、簡単にはいきません。なぜなら、ギアが1個増えたことで、回転方向が逆になるからです。そこで、仕方なく2相バイポーラ型ステッピングモーターの構造を調べ、ケーブルの一部を入れ替えて、モーターの回転方向を逆にしました。また、追加したギアがレールシャフトに干渉するので、結局、レールを少し切断するという大工事になってしまいました。次に、CCD基板を駆動ステージに表向きに仮止めし、ストップバーを伸ばして停止位置を中央部に調整して、ガラスを外した上カバーに白反射板を取付けて改造は終ったのですが、ただスキャン距離を短くするだけなのに、想像以上に手間のかかるものでした。(写真2、3)さて、 ここまで時間をかけた実験機でしたが、結果はあっけなく出てしまうのです。(写真4)ご覧のように、これでも色ズレは起きてしまいました。結局、色ズレはスキャナ機種には関係がないようです。そして、この結果をもって、ひとつの結論に至ります。スキャナーは機械的駆動によって画面比が縦1:横√2のスキャン距離になる時にRGBタイミングが同期するように出来ているということです。しかし、それでも例外があって、製品の縮小光学系レンズを外しても、色ズレは起こらず、297mm×CCDの長さというパノラマ撮影が唯一可能になることです。そして、この例を考えると、raspyさんの「基本的には送りが早すぎ」というのは違ってきます。なぜなら、製品の送りはスキャナカメラの5倍以上も早いからです。しかし、なぜ、この時パノラマ撮影ができてしまうのでしょうか? それはおそらく、製品状態では縮小光学系レンズを通してアスペクト比が1:√2(A4)になり、当然、RGBタイミングも同期しています。しかし、ここで縮小光学系レンズを取り外しても、CCDが取込むスキャン距離は変わらないので、結果的には色ズレが起きないものと思われます(たぶん?)。そして、縮小光学系レンズを持たない従来のスキャナカメラでは、ひとつの法則「CCDの長さ×√2のスキャン距離」が絶対条件であり、これ以外のスキャン距離では色ズレするということです。要するに、すべてはスキャナのプログラムによるRGB同期設定が常に一定だということに尽き、ハード的な対策ではこの問題を解決できないということが解りました。これはtimaさんのコメントの「R,G,Bのセンサの列が一定の時間差を持ってスキャンし、それを合成するわけですから、スピードが変わると、別の場所の光を合成して色ずれが起こるのでしょう。」とのご意見は、raspyさんの「基本的には送りが早すぎ」と同じく、スキャナカメラを前提にする限り、正しかったということになります。astrayさんの「ギヤをいじらないなら、むしろずれないような気がしますが、」もその通りでした。したがって、今回の4×5判パノラマの企画は成立しないということが判明したのです。それにしても紛らわしいのはProject ESEさんの写真(297mm×CCDの長さのパノラマ)でした。私はこの事実にすっかり惑わされてしまったのです。これはまさに特殊な例外と考えるべきだったのです。ここまでの不毛な追求のために、私は数多くのギアユニットを作成しましたが、結局、どの比率にしても色ズレは直らず、無駄な資金を使ってしまいました。なんとも報われない無惨な結果です。しかし、それでも悪いことばかりではなかったのです。いろいろなギアの組み合せをしたおかげで、市販のギア組みのコツを掴みました。YAKUSCANではこれまで、2台分のF500を使っていましたが、市販のギアでも加工しだいで充分精度をもって代用できることが解ったのです。これは、入手困難で希少なF500を1台で1台のYAKUSCANができることを意味しています。これは嬉しい収穫と言えるでしょう。さて、今回の試作機はこのままボツにするのも惜しいので、従来のギア比「CCDの長さ×√2のスキャン距離」に戻し、設計を修正すると、レールを短くした分で、かなりコンパクトなボディサイズの4×5バックになるかもしれません。それが、次の目標になりそうです。最後にひとつ、今回、パノラマ化のカラー撮影は断念しましたが、仮にB&Wを前提にするならば、RとB画像は使えませんが、G画像に限っては、重複もなくすこぶる鮮明な(RGBによる諸問題のない)B&W画像になり、この場合はどんな比率のパノラマても充分実用になるということが解っただけでも、ひとつの成果ではないかと思うのです。苦笑)



The remodeling inside of S620
写真2 これがS620の製品筐体を改造し、スキャン距離を2/5にしたものです。改造は以外に面倒でした。

The appearance of the remodeling of S620
写真3 上カバーを取付けた様子。1mmアルミ製の白反射板が付いています。




5 test
写真4 これが今回の実験機の画像です。F500と同様な色ズレが起きました。これで、4×5パノラマ機は実現不能と判明したのです。残念無念!





















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